CAD利用技術者試験 概要
「CAD利用技術者試験」とは一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催するCADオペレートに関する試験です。
試験は「2次元CADと3次元CAD」に分かれており、CADを利用するエンジニアや学生が知識や技能を証明することを目的としております。
CAD技術の進化は目まぐるしく、3DCAD分野においても「無料で一般の人が利用できる」というレベルにまで普及しました。昔は「製造産業や建築業界など企業単位」で利用されてきたCADですが、現在では3Dプリンタの利用など「個人単位における仕事・趣味」においても利用され、CADという存在がますます身近なものになってきております。
それでは各試験の種類を解説していきます。
※これらは2021年4月時点の情報です。最新の情報はCAD利用技術者試験の公式HPをご確認ください。
2次元CAD利用技術試験の種類
- 基礎 (筆記試験のみ)
3か月程度の就業者を想定して作られた試験です。 - 2級 (筆記試験のみ)
基礎からのステップアップを目的とした「筆記のみ」の試験です。CBT方式のためパソコン教室などで随時受験をすることができます。 - 1級 機械・建築・トレース (実技+筆記試験)
1級は「機械,建築,トレース」の3分野に分かれており、いずれかを選択して受験します。
3次元CAD利用技術試験の種類
- 2級 (筆記試験のみ)
「3DCADを利用した業務に従事すること」を目標とした人を対象と想定した、基本的な試験です。 - 準1級 (実技試験のみ)
こちらも「3DCADを利用した業務に従事すること」を目標とした人を対象と想定した試験です。 - 1級 (実技試験のみ)
「半年以上の実務経験、または1年以上の就学経験を有する人」を対象に想定した試験です。
資格を取得するメリット
試験の勉強を通して「CADの基礎、応用的な技能と知識」を取得することができます。
これから「機械・建築・インテリア・自動車メーカーなど」で設計業務をしたい人に適しております。
また、3DCADはどんどん進化しており汎用性も非常に高くなってきております。
設計に留まらず「デザインや3Dプリンタのためのモデリング」などを行っていきたい人にもおすすめです。
それだけでなく「ステップアップやさらなる知識習得」として、CADを使う職業に既に従事している人にもおすすめです。(ただ、既に高度な技術を有している人にはあまり適していない内容だと思います)
また技能や知識の対外的アピールにもなり、資格手当などが出る企業も存在します。
3次元の実技試験にはCADソフトが必要?購入しなければいけない?
3次元の実技試験には自分のノートパソコンを持ち込む「持込受験」と試験会場に備え付けのソフトを使用する「一般受験」のどちらかを選択できます。
持込受験の場合は、事前に自分のパソコンにCADをインストールしておく必要があります。有料版だけでなく、無料版や体験版でも受験は可能です。
対応可能ソフトについては、公式ホームページをご確認ください。
一般受験の場合は「会場に備え付けの指定ソフト」を利用して受験します。
受験会場によってソフトが異なります。
受験申込時に確認ができますが「希望のソフトがある場合」は早めに確認しましょう。
3DCAD利用技術者試験において筆者が実際に使用したソフト、参考書
勉強方法についてですが、”3次元”のCAD試験のみの紹介となります。
まず「筆記」についてですが、コンピュータ教育振興協会が公式のガイドブックを出しておりますので、このガイドブックなどを元に勉強を進めていけば充分だと思います。「実技」については「無料版のFUSION360」のみで完結しました。
詳細については、下記をご参考ください。
・3DCADソフト Fusion360 (無料版)
準1級・1級の勉強、そして実際の受験(持込受験)もこちらのFusion360無料版を使用しました。現在私は有料版を使用しておりますが、無料版で十分な機能が備わっております。
※Fusion360無料版の機能は今後変更、制限される可能性もございます。詳細はAutoDeskの公式ホームページでご確認ください。
・参考書 2021年度版CAD利用技術者試験3次元公式ガイドブック
筆記試験があるのは2級のみですが、準1級・1級の実技に向けた知識取得までこの一冊のみでまかなうことができました。
・参考書(モデリング) Fusion 360 マスターズガイド ベーシック編 改訂第2版
こちらは試験対策用の参考書ではありませんが、3DCAD(Fusion360)におけるモデリング方法について勉強することができます。初歩的なモデリングから学ぶことができるため、CADを使ったことがない人にオススメです。
※記載されているのはFusion360を使ったモデリングです。
まとめ
CADは昔と比べ、どんどん身近なものになってきており、今後さらにCADオペレータの需要も高まってくると予想されます。
自己研鑽の一環.勉強の動機付け,ステップアップなど、どんな理由であれ資格取得に費やした時間と勉強は無駄にはならないでしょう。