放電加工とは
放電加工とは電気エネルギーを利用し、電極と加工液を介して火花を発生させ、加工物を溶融・蒸発させる除去加工です。EDM(Electrical Discharge Machine)とも呼ばれます。
主に金型など、切削加工が難しい部品に放電加工が利用されます。
1.放電加工の原理
絶縁性のある加工液(純粋や油など)の中に加工物を設置し、電極と加工物の間にアーク放電をとばすことで、加工物を溶融、蒸発させていきます。1秒間に数万回の火花が発生し、ミクロン単位の精度で加工していくことができます。
2.放電加工の種類
- ワイヤーカット
真鍮などの銅やタングステンでできた細いワイヤーによって放電加工を行い、除去加工を行います。ワイヤー放電加工(WEDM)とも呼ばれます。 - 型彫り放電
型が彫られた電極を用いて、型と同じ形状に転写するように除去加工を行っていきます。
3.放電加工の長所
- 難削材の加工が可能
硬度に関係なく加工ができるので、超硬や難削材などの切削加工が困難な材質も加工できます。 - 高精度な加工が可能
ミクロン単位の精度で加工をすることができ、複雑な形状にも対応することができます。
またNC(数値制御)による形状加工も可能です。
3.放電加工の短所
- 加工に時間がかかる
材料が分厚いほど、加工範囲が広いほど加工時間がかかります。条件にもよりますが、1分につき数mm程度しか加工できません。 - 仕上がりの面粗度が荒い
放電した面はざらざらした荒い面になります。ワイヤーカットで面粗度を上げる場合は、同じ箇所を3度、4度と加工を繰り返さなければならないため、非常に時間がかかります。 - 電気を通さない材質は加工できない
電気を通さない樹脂やセラミックなどは加工できません。
4.放電加工機の主なメーカー
- ソディック
神奈川県に本社を置く日本の工作機械メーカー。放電加工機ではトップクラスのシェアを誇る。 - ファナック
黄色のロボットでお馴染みの電子機器メーカーファナック。産業用ロボットで世界トップのシェアを誇る。 - 三菱電機
メカトロニクスの分野にも強い三菱電機。2021年4月に、CNC・放電加工機・レーザー加工機の開発を行う『産業メカトロニクス製作所』を新たに設立予定。
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