HPM38の特徴
HPM38は日立金属工具鋼(株)が開発した「SUS420J2改良系」の材料です。
鏡面仕上げ性に優れる為、主に精密プラスチック金型の材料として使用される鋼材です。
日立のハイピーエムシリーズなので「ハイピーエム」とも呼ばれます。
化学成分(%) | C | Si | Mn | Cr | Mo |
HPM38 | 0.4 | 0.4 | 0.4 | 13.5 | 0.6 |
HPM38の長所
- 被切削性が良い
- 磨き性が良好
鏡面仕上げ性に優れています。 - 耐食性が良い
SUS420j2以上の耐食性を誇ります。 - 熱処理歪みが少ない
- プリハードン状態で出荷される
HRC29~33程度で出荷されるため、加工性は良好なままに適度な硬度が入っているので高硬度が必要でない場合は熱処理なしで使用する事ができます。硬度を上昇させたい場合は焼入れ焼き戻しでHRC50~55程度まで上昇させることができます。
HPM38の主な用途
- 精密プラスチック金型
金型に必要とされる条件、耐食性・磨き性・硬度などを兼ね備えています。家電・医療・食品系などの一般透明品用の金型材料として主に使用されます。
加工方法について
- 切削加工◎
切削性は良好で加工がしやすい材料だと言えます。
処理について
- 熱処理
先述の通り、高硬度が不要な場合はプリハードンの状態で使用できます。より高い硬度が必要な場合は焼入れ焼戻しによって硬度をHRC50~55程度まで向上させることができます。
参照
“HPM38 ”.日立金属工具鋼株式会社.2022-02.https://www.hitachi-metals-ts.co.jp/product/catalog-hpm38.html