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【機械図面を学ぶ】1.機械図面の全体像 図面の規格や表現方法などを解説

みなさん「図面」というものをご存じでしょうか。
製造業界隈で働いている方はもちろんご存じかと思いますが、別の業種に勤めている方は日常的にはあまり耳にしない言葉かもしれません。
どんなものかは理解していても「どのようなことが書かれているか」「どうやって読むか」ということを知らない人も多いのではないでしょうか。

図面とは「ものや建築物の構造を設計したもの」で、ネジを一つ作るのにも家を建てるのにも必ず図面が必要です。

機械部品図面の例



もし、図面というものが存在しなければモノをつくることは非常に難しいといえます。
なぜなら、設計者がイメージしたものを”言葉だけ”で全て伝えるのはほぼ不可能だからです。

例えばボールペンを作りたいとして、それを”全て言葉だけ”で第三者に伝えるとしましょう。

「材料はプラスチックで全長は150mmとして、先端の部分は15mm、芯を通す穴が開いていて、、」
「先端からどのくらいの角度で円錐型になっているの?クリップの部分の寸法は?内部の寸法は?」
「えっと、角度は30°で、、内部は肉厚が0.5mmで、、」
「それぞれの精度は?表面の粗さは?」

あくまで例えですが、このように言葉で伝えようとするとキリがありません。
ボールペンでこのありさまです。それに対し、世の中にはボールペンよりも遥かに複雑な部品であふれています。
それらを言葉だけで伝えるのは現実的に不可能だと言えます。

また、情報伝えなければならないのは1人だけとは限りません。
作業者・検査員・営業担当・デザイナーなど、色々な人に正確に伝えなければなりません。
もし、作業員と検査員の認識が違っていたら、製品は延々と検査不合格になってしまいます。

そこで、図面の登場です。
図面には「部品の製作に必要な寸法や形状・材質や精度・表面粗さ」などの情報が盛り込まれています。
この図面を読み取ることによって、誰が加工しても誰が検査しても常に同じ結果が得られるようになるのです。

こちらの記事では、この「図面」について解説していきます。
製造業初心者の方や、これから図面を学びたいという方に向けた記事です。

なお、図面というと「電気回路図や建築図面」も含まれますが、ここでは機械図面(機械に限らず、部品などをつくるための図)について解説していきます。

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図面の全体像

昔、図面はドラフター(図面を書く製図台)で手書きによって書かれておりましたが、時代の進化・コンピュータの発達に伴い、CADによるパソコンでの製図が主流となりました。

1.図面の役割

図面の種類 紙図面とデータ図面

ドラフターの画像 
引用元:武藤工業株式会社
AUTOCADで作成した2Dデータ
Fusion360で作成した3Dデータ

2.図面の表現方法

さて、図面やデータの種類はわかりましたが、図面を読み解くには投影図を理解する必要があるようですね。では、平面の図面で一体どのようにして物の形状を表しているのでしょうか。


さて、図面の全体像と導入は以上です。
次回は、図面の読み方を解説していきたいと思います。

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