無電解ニッケルめっきは電解を使用しないめっきです。
膜厚が均一で寸法精度に優れており、材料の耐食性・耐摩耗性を上げることができます。
無電解ニッケルめっきとは
無電解ニッケルめっきは科学的な還元作用により、金属にメッキを施す処理であり、還元剤を溶解させてニッケルを析出させます。
無電解ニッケルめっきの処理工程
- 1.脱脂
- 2.水洗→酸洗→水洗い
- 3.めっき処理
- 4.水洗→乾燥
無電解ニッケルめっきの長所・メリット
- 膜厚の精度が高く均一
めっき箇所による析出の違いがなく、複雑な形状であったとしても「部品全体に均一なめっき」を施すことができます。また「めっき厚」の精度もμ単位で調整可能なので高精度の部品にも適しております。膜厚は一般的に3~5μ程度で、厚くメッキしたい場合は50~200μ程度の厚メッキも可能です - 熱処理(ベーキング)による硬度上昇が可能
メッキのみの場合500HV程度の硬度ですが、メッキ後に熱処理を施す事によって1000HV(HRC68程度)程度の高い硬度を得ることができます。 - 鉄鋼以外にも多種類の材料にめっきを施すことができる
電解めっきと違い、通電しない材料にも処理を施すことができるため、鉄やステンレスだけでなくアルミ・セラミック・カーボン・樹脂など多くの種類に採用することができます。
無電解ニッケルめっきの短所・デメリット
- めっき浴の温度が高温(90℃程度)
熱変形に弱い部品に施す場合は注意が必要です。