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【コラム】図面の寸法不備を無くそう!生産性を低下させる寸法不備


今回は”図面の寸法不備”について取り上げてみたいと思います。
いきなりですが、図面の寸法不備があるとどうなるのか
ひどい場合の例を挙げてみたいと思います。

A工場 職人

あ、この図面寸法不備がある!

まいったな~もう加工始めちゃったし、B社さんにすぐ確認しなきゃ!

B社 事務

ムッ、「大至急寸法確認してください by A工場」ですって!
太郎さんの担当だから急いで連絡しなきゃ!

B社 営業太郎

事務員さんから連絡だ。まいったな~今外で対応できないんだよな
「C社さんに寸法確認しといてください」っと

B社 事務

え~寸法確認ってどこのこと言ってるのかわからないんですけど!

とにかくそのまま投げちゃいますね!

C社 営業

なになに、”大至急寸法確認”ですと?
あ~これ外注で設計した図面のやつだな
「確認しますので少々お待ちください」っと

D社 設計

む、何か寸法確認が来ているぞ。
でもこれ担当者休んでるからわからんな。
「すみませんが担当者が休みなので月曜日まで待ってください。」

C社 営業

あちゃ~。まぁしょうがないか。
「すみませんが、設計が不在なので月曜日まで待ってください」っと

B社 事務

月曜日!?困ったな~
加工屋さん待ってるのに~

A工場 職人

お~い、早くしてくれ~泣


これはあくまで工場とユーザーの距離が遠い場合に起こるひどい例です。
また、工場とユーザー直接のやり取りの場合でも「設計者が不在なので今日回答できません」というパターンは多く存在します。

このように、寸法の不備は大なり小なり生産性に打撃を与え続けているのです。
しかも、それは自社だけでなく周りの会社や関わる人々にも影響を及ぼしています。

また、一度不備があって確認したにも関わらず、リピートになっても不備がある図面を使い続けているところもあります。
「あれ、前にもこのやり取りしたな」なんてのは絶対に無くしたいところです。

では、どうすればこのようなやり取りがなくなるのでしょうか。
ひとまず何通りかのアプローチを考えてみます。

1. 脱紙図面、3Dデータでの製作
2. 設計、検図を徹底する
3. 中間の企業が寸法抜けに注意する
4. 工場側が図面不備を洗い出す


1.脱紙図面、データでの製作

紙図面であれば頻発しがちな寸法不備ですが、3Dデータでの製作であればデータから数値を読み取ることができます。なので、紙図面無しでの製作は是非とも推し進めていきたいところ。
ですが、実際のところは3Dアノテーション(3Dモデルに直接寸法や記号を書き込むもの)もあまり普及しておりません。やはり検査も製造も紙図面ベースでのやり取りに慣れてしまっています。

生産性の向上のためにも、この”脱紙図面”は目指すべき所だと思います。
しかしFAXでの図面やりとりでさえ未だに多い日本においては、まだ現実的ではないでしょう。

脱紙図面は難しいかもしれませんが、「DXFデータや3Dデータを事前に入手しておく」というのは有効な手立てだと思います。

2.設計、検図を徹底する

これも中々変わらないのが現状です。
「寸法不備がほとんど無い会社」と「いつも寸法が抜けてる会社」は大体決まって同じところです。
これをどうにかするには、製図・検図のワークフローを見直してもらうほどの事をしない限りは変わらないかと思います。
また、力関係的に「お客さんに寸法不備を注意するのは難しい」という方も多いかと思います。

B社 営業太郎

C社さんに物申すなんて滅相もない!
ここに嫌われちゃったら食っていけないよ!

ですが、寸法不備は設計の責任。
報告することが本人の為にもなるはずなので、不備が頻発した場合は一報入れた方が良いかと思います。

一方で人間にミスは付き物。ましてや複雑な設計になればなるほど、人間では寸法不備を確認しきれないことなどいくらでもあります。
なので、やはり前述の3Dデータへの移行が重要になってくるかと思います。

3. 中間の企業が寸法抜けに注意する

先ほどいったように、人間にミスは付き物です。
大量にある図面の全てを人間の目でチェックしつくすのは限界がありますし、逆に言えば寸法不備は”発生して当然”なものだと思います。

そこで、中間の企業(ここでいうB社)が発注時に寸法抜けをチェックすることも、”場合によっては“必要なのではないかと思います。

B社 営業太郎

いやいや、忙しいしそれは俺の仕事じゃないよ

たしかに、そんな暇はないかと思います。

しかし発注者の責任として、寸法抜けの頻発を防ぐということは、納期通りに製品や部品を納めるということにも繋がります。また、寸法抜けの傾向を把握できれば事前に対策することも容易になり、根本的な問題解決にもつながるかと思います。

しかも、「寸法が抜けていても納期は揺るがない」という恐ろしい現象があちらこちらで行われています。

A工場 職人

寸法回答が遅れたんだから当然納期も遅れますからね!
(またワークセットし直して原点とって、、、工程管理もずれちゃったよ)

B社 営業太郎

あ~まぁそうなっちゃいますよね~。わかりました!
(まぁ納期ずらしてくれるでしょう。あっちの不備だし)

B社 営業太郎

すみません、あの部品なんですけど
先日の寸法不備で納期遅れるみたいで、、

C社 営業

え~!無理無理!
あれ今月末には組んで出荷しないとダメなんだよ!
何としてでも納期は守って!ヨロシク!

B社 営業太郎

そんな~(そっちの不備なのに~)

自分が取り扱う内の数%の部品で構いません。
納期が厳しい部品や、複雑で難しい部品の寸法に目を光らせてみてはいかがでしょうか。
“リスクマネジメント”は自分の身を守ります。

4.工場側が事前に不備を洗い出す

これは正直最後の手段かと思います。
というか、こんな責任まで工場の職人の方々に押し付けてしまったらとんでもないことになってしまうと思います。(既になっているところもあるかもしれませんが)

ただでさえ加工で忙しいのに、そこまで責任を負わされてはたまったものではありません。

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まとめ

将来的には脱紙図面を目指すとともにデータでの加工で寸法不備とおさらばしたいところですね。
しかし、まだまだ何年かかるかわかりません。

今できる対策としては、「設計者が気を付けつつ、皆で協力して寸法不備を早めに潰しましょうね」ということです。


設計ビギナー

初心者なのでミスが多くて申し訳ないです。
図面のリテラシー向上に励みます。
寸法漏れしやすいところの傾向を掴めてきたので今後減らしていきます。
先輩にもアドバイスもらいます。

営業ビギナー

まだ正直図面のことはよくわかっていません。
とにかく難しそうな部品については事前に
DXFデータや3Dデータをもらうように心がけます。

外回りくん

工場とお客さんの板挟みになる事が多いです。
でも他人のせいにせず、図面に対する理解を深めることで
危機察知能力が上がってきました!
とにかく寸法確認は最優先で処理します。

事務員さん

FAXでのやり取りは数値がつぶれるので出来ればメールがありがたいです。
読み間違いのせいで不具合なんてのは本当に勿体ないですから。
でもメール見てくれない町工場さんも多いんですよね~。

職人

一回ワークをセットしちゃうと最後まで加工できないと困るんだよね~
こっちでもパッと見でわかる寸法不備はその場で指摘できるけど、
1枚1枚確認してたらキリがないからさ。
事前に確認してもらえると助かります。



※あくまで筆者の意見です。

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