プラスチックに色を付ける方法と言えば、スプレー塗装やアクリル塗料での筆塗りなどの方法がありますよね。しかし、透明パーツの透明感を損なわないまま着色するにはどうすればいいでしょうか?
今回は、SDN染料というものを使用して樹脂を染めていきます!
染料に漬けて着色するという方法であれば、均一かつ綺麗に染める事ができます。
SDN染料とは?
こちらが大阪化成株式会社様から発売されているSDN染料です。
組成:分散染料、アニオン系活性剤配合、特殊グリコールエーテル
外観:低粘度液体
イオン性:弱アニオン
溶解性:冷温水ともに易溶
水中に分解した分子はイオンとして存在し、負に荷電したイオンをアニオン(陰イオン)と呼びます。正に荷電したイオンはカチオン(陽イオン)と呼びます。
“弱アニオン”という表現方法は聞いたことがないので、イオン性について明確な事は言えません。
SDN染料で染色可能な材料
アクリル・ジアセテート・ナイロン・ポリアセタール・セエルロースプロピオネート等…
※プラスチックの素材や表面加工品などにより染まらない場合があります。事前にテストを行う事をお勧めします。
用意するもの
・ステンレスorアルミ鍋
・温度計
・ビーカー
・中性洗剤
※プラ製容器を使うと染まるので使用を控えてください。
手順
1.原液と水を1:20の割合で混合し、5%溶液を作る
2.混合溶液を設定温度(約60~80℃)まで温める
3.染色したいプラスチックを混合溶液に入れ攪拌し、希望濃度になるまで染める
4.染色後、中性洗剤で十分洗浄し、乾燥させる
※大阪化成品株式会社様の商品説明から引用
原液と水を1:20とありますが、それだと5%にならないので1:19の間違いかと思われます。
作業時は充分な換気を行いましょう
実際に染めてみた~ポリカ編~
こちらは透明のポリカねじです。
ポリカは染まる材料一覧に書いてありませんでしたが、恐らく染まるでしょう。
小瓶に水を入れ染料を溶かし、温度をチェックしながらゆでていきます。
5分程度茹でてできあがり!
上はモノタロウで購入した既製品の赤いポリカねじです。
下は今回SDN染料で染めたものです。
比較すると、既製品よりは少し薄いですが充分染まっています。
染め時間を長くすればもっと濃くなるかと思われます。
実際に染めてみた~アクリル編~
アクリルもサクッと染めてみます。
ビフォー
アフター
しっかり染まりました( ・`ω・´)
実際に染めてみた~光造形3D水洗いレジン透明編~
次はレジンを染めてみました。
※レジンを染めるのは非推奨です!お湯で煮込む事で割れや劣化などの不良原因となります。
あくまで実験ですので真似することはおすすめしません。
低温度(35度程度)で染めてみます。
普通に染まりましたね。
繰り返しますが、レジンは耐熱性も低く、水分を吸収すると割れなどの原因になりますので非推奨です。
総括
SDN染料ならスプレー塗装のように周りに染料をまき散らしてしまう恐れもありません。
また、青など他の色と混ぜて自分の好きな色味に調整する事も可能です。
アクリルやポリカなど、透明度の高いプラスチックとは相性がいいと思いますので、皆さんもぜひ試してみてください!