サイトアイコン モノキソ│機械加工&ものづくりの基礎知識

【熱処理】火炎焼入れ(炎焼入れ)とは?耐摩耗性、疲労強度を向上させる局所加熱処理

火炎焼入れとは

鉄鋼材料に対するメジャーな”局所”熱処理には高周波焼入れがありますが、そのほかにも「火炎焼入れ」という処理があります。
全体焼入れなどに比べると少しマイナーですが、使い分けする事で設計の幅が広がるので知らない人は覚えておきましょう。

火炎焼入れ(フレームハード)とは

火炎焼入れはアセチレンガス、プロパンガスなどの燃焼ガスと酸素の炎によって材料の表面のみを加熱し焼入れする方法です。火炎焼入れをすると炭素と鉄が固着し耐摩耗性・疲労強度が向上するだけでなく、残留応力が発生し金属疲労にも強くなります。
なお、熱処理後には必ず焼き戻しを行います。

火炎焼入れの種類

・定置法
 処理部品(ワーク)と火口をどちらも固定し、一定の個所のみを加熱する方式
回転法
 処理部品(ワーク)を回転させることで円周上に加熱する方法。円柱や歯車などの処理に適す
・漸新回転法
 漸新(線状に徐々に前進させていく)と回転を組み合わせる方法。炎を広い範囲に吹き付ける事ができるので複雑な形状に対して処理が可能
 

火炎焼入れの利点、メリット

・高周波焼入れでは局所加熱できないような複雑な形状にも局所加熱ができる。
・治具やコイルなどを必要としないため費用が抑えられる。
・変形が少ない
・処理時間が短い
・形状やサイズの制限がない

火炎焼入れの欠点、デメリット

・肉薄部品には処理が難しい
・熟練していないと温度制御が難しい
・片面だけ処理をすると歪んでしまう

参照

“火炎焼入れ”https://www.fukasawa.co.jp/flame-hardening/”株式会社フカサワ”2023/2
“火炎焼入れ”https://www.mt-k.com/solution/flame/武藤工業株式会社”2023/2

モバイルバージョンを終了