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【材料を学ぶ】4.金属材料ー非鉄金属 アルミ合金、銅合金、チタンなどについて解説

前回は鉄鋼材料について解説しましたが、今回は鉄以外の金属を主とした”非”鉄金属の解説です。
アルミや銅など非常に身近な材料にも様々な特徴や種類があるので、ピックアップしていきます。

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非鉄金属の種類

非鉄金属材料には、大きく分けてアルミ合金・銅合金・チタン合金・ニッケル合金・マグネシウム合金などがあります。

1. アルミ合金

アルミニウムを主成分とした合金です。アルミは非常に軽く鉄の約1/3の重さです。
また、錆にも強く加工もしやすいため、非常に広く使われている材料です。アルミニウム単体では柔らかいので、銅やマグネシム、亜鉛などを添加することで強度を高めています。

種類は様々ありますが、とりあえず5000番台のA5052だけ覚えておきましょう。
また、一般的な用途では3000・4000番台を選択する機会はほとんどありません。

アルミ合金の種類

2. 銅合金

銅は熱伝導率が高く導電性が良いです。また、展延性もあり加工がしやすい材料です。
銅合金は銅に亜鉛を添加した「黄銅」、銅に錫を添加した「青銅」などがあります。

1) 純銅系

銅の成分が99.90%以上の合金で、熱伝導・導電性に非常に優れております。
酸素の含有量により分類されており、タフピッチ銅(C1100)無酸素銅(C1020)、りん脱酸銅(C1220)といった種類があります。

2) 黄銅(真鍮)系

銅と亜鉛(20%~45%)の合金で、適度に強度があり耐食性と展延性に優れております。亜鉛の比率によって分類されており、有名なものが銅60%:亜鉛40%の六四黄銅(C2801)です。

その他にも錫を添加することで耐海水性を向上させたネーバル黄銅、快削性を向上させた快削黄銅などがあります。

3) 青銅系

青銅は銅と錫の合金で、適度な展延性と融点の低さが特徴です。すずの含有量が少ないほど柔らかく展延性があり、多いほど硬くなる傾向があります。

銅90%:錫10%の砲金、りんを添加した”ばね性”の高いりん青銅(C5191)や、アルミニウムとの合金で耐海水性に優れたアルミニウム青銅などがあります。

4) 銅合金その他

3.その他の非鉄系金属

1) チタン、チタン合金

チタンは鉄の半分の重量にも関わらず強度が高く、耐熱性に優れ、海水にも強く人体への影響もほとんどない優秀な合金です。チタンは純チタンチタン合金に分類され、種類により強度や加工性などが変わります。

チタンの熱伝導率はステンレスと同程度、つまり非常に熱を伝えにくいです。
しかし比重が小さいため、ステンレスと同じ大きさでもチタンは約6割の熱量で温度を上げる事ができます。これには熱容量が関係しておりますが、ここでは割愛致します。

ただ、チタンは材料は比較的高価で加工も難しいため、気軽に選択できる材料とは言えません。

2) ニッケル

ニッケルは非常に耐食性に優れた材料で、純ニッケルニッケル合金に分類されます。ニッケル合金においては、ヘインズ社のハステロイや、スペシャルメタルズ社のインコネル(inconelⓇ)などが有名です。これらは難削材に属し、切削加工の難易度が高い材料です。また、ニッケル自体も非常に高価です。

3) マグネシウム合金

マグネシウムの比重は1.7と実用金属中最も軽く、比強度(軽さに対する強度)が最大の金属です。
アルミニウムや亜鉛などを加えたマグネシウム合金として主に使われます。
電磁波シールド性を持っているのでパソコン部品や電子機器などにも多く使われています。
マグネシウム合金は切削が難しく、対応できる加工工場も少ないため、ダイカスト法での成形の方が主流となっています。

マグネシウム合金は切削性に優れた材料ですが、燃焼性が高いため切子(切りくず)によって発火・爆発する可能性があります。個人での切削加工は避け、マグネシウム加工が可能な専門の加工工場に依頼しましょう。

総括

アルミや銅など、身近な所にも多く存在する非鉄金属を紹介しました。
次回は、「金属ではない材料」を紹介していきます。

【材料を学ぶ】5.非金属材料 セラミックス、プラスチックなどについて解説

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