今回はPCBWayが対応している3Dプリントにおける材料を詳しく紹介していきます!
前回はレジン材料を紹介致しましたので今回はプラスチックと金属材料について紹介していきます。
レジンよりも耐久性に優れたプラスチック材料
・PA12 色:ホワイトorダークブラック(染色) 造形方式:SLS コスト指数:2
高い強度と耐衝撃性を持つナイロンPA12は、最も一般的な3Dプリント材料の一つです。
その機械的特性や電気絶縁性などの優れた性質から、パイプ、ハウジング、複雑なアセンブリ、コネクターなどの部品として幅広く使用されています。
・HP-PA-12 色:ダークブラック(スプレー仕上げ) 造形方式:MJF コスト指数:3.7
HP-PAはヒューレットパッカード社独自の技術によった生まれた3D造形方式&材料であり、様々な材料特性を持ち、色々なシーンでの要求を満たすことができます。耐衝撃性に優れ、長期間繰り返し使用でき、耐熱性にも優れ、変形しにくいです。
・グラスファイバーナイロン(PA12+35% GF) 色:ライトグレーorダークブラック(染色)
造形方式:SLS コスト指数:3.7
ガラス繊維ナイロンは、PA12ナイロンにガラス繊維を35%混合した材料です。ナイロンよりも強度が高く、耐熱性にも優れており、機能性製品のテストに最適です。また、可動チェーンやスプリングなどにも使用できます。
・PLA 色:白・黒・黄・赤・緑・青・橙・桃・マルチカラー 造形方式:FDM
コスト指数:1
PLAは、低コストで機能性を重視しないプロトタイピングによく使用されます。
ABSよりも細部まで表現できますがABSより脆く、高温用途には不向きです。
・ABS 色:ホワイト・ブラック・シルバーグレー 造形方式:FDM コスト指数:2
ABSは一般的な熱可塑性プラスチックで、良好な機械的特性と優れた衝撃強度を持ち、耐熱性もPLAよりも優れておりますが、高精細な表現はあまりむいておりません。
・Stratasys ABS-ESD7 色:ブラック 造形方式:FDM コスト指数:10.5
ABS-ESD7™(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン-静電気消散性)は、製品の損傷や性能の低下、爆発のリスクを防ぐために開発された静電気消散特性を備えたABS熱可塑性プラスチックです。静電気の蓄積を防止し、静電気ショックや他の材料の付着を防ぎます。電子製品や輸送機器、産業機器の製造に最適で、電子部品の組み立て用治具や固定具の作成に広く利用されます。また、燃料貯蔵・供給製品の機能試作品や、ケース、筐体、包装の作成にも適しています。
・PETG 色:ホワイト・ブラック・グレー 造形方式:FDM コスト指数:1
PTEGは耐久性があり使いやすい素材です。その強度は食品包装に最適であり、整形外科や義肢装具などに使用されることもあります。
・TPU 色:ホワイト・ブラック 造形方式:SLS コスト指数:7
TPUは熱可塑性ポリウレタンエラストマーとして知られ、ゴムとプラスチックの中間に位置するポリマー材料の一種です。主にポリエステルタイプとポリエーテルタイプに分けられます。高張力、高抗張力、強靭性、耐老化性などの優れた特性を持ちます。他のプラスチック材料が及ばない高強度、良好な靭性、耐摩耗性、耐寒性、耐油性、耐水性、耐老化性、耐候性などの特性を持っています。
・PC(ポリカーボネート) 色:ホワイト・ブラック・半透明 造形方式:FDM コスト指数:4.5
PCは一般的な汎用プラスチックよりも機械的性質に優れたエンジニアリングプラスチックとして知られている材料です。精度、耐久性、安定性に優れ、テスト部品としても製品としても活用できます。
・ASA 色:ホワイト・ブラック 造形方式:FDM コスト指数:3.4
ASAは熱可塑性プラスチックで、FDM技術と組み合わせることで優れた性能を実現できます。ASAは耐久性のあるプロトタイプの製作や屋外での実用的な最終用途部品の製造に適しており、フィッティングや形状、機能テストにも利用できます。電気機器のハウジングやブラケットからスポーツ用品や自動車のプロトタイプまで、ASA素材はデザインをより有利にします。
・PEEK 色:ペールブラウン 造形方式:FDM コスト指数:25
PEEKはスーパーエンジニアリングプラスチックです。エンジニアリングプラスチックよりもさらに優れた機械的および熱的特性を持っており、金属部品の代替としても使われることがあります。
金属材料のバリエーション
・アルミニウム (AlSi10Mg) 色:メタリック 造形方式:SLM
アルミニウムAlSi10Mgは、優れた強度と熱特性、軽量性、柔軟な後加工の可能性を兼ね備えたアルミニウム合金です。鉄の3分の1の重量なので、パーツの軽量化にも貢献します。
・ステンレス(SUS 316L) 色:メタリック 造形方式:SLM
ステンレス鋼はサビに強く、アルカリ、塩などの化学的腐食媒体に耐性があります。また耐食性、耐熱性、研磨性に優れており高温下でも優れた物理的・機械的特性を維持できます。
・チタン TC4 色:メタリック 造形方式:SLM
チタンTC4は、良好な総合機械特性、高い比強度(強度-重量比)、低い熱伝導性、優れた耐食性、靭性、溶接性を有します。
・工具鋼 色:メタリック 造形方式:SLM
金型用鋼は高温でも一定の強度を保つことができます。射出成形やダイカストの工程では、従来から工具や研磨材の製造に使用されており、優れた硬度と耐熱疲労性、高靭性、高延性、耐摩耗性を持ちます。
材料の選び方
材料を選ぶ時のポイントは以下のような項目があげられます。
- 用途に適した特性:
各プラスチック材料は異なる特性を持っています。例えば、強度、耐久性、耐熱性、耐薬品性などが挙げられます。プリントされるアイテムがどのような環境や使用条件で使われるかに応じて、材料を選択します。 - 耐久性と長期耐候性
使用される部品が屋外での使用や長期間の耐久性が必要な場合、材料の耐候性と耐久性が重要です。特にUV安定性や外部要因に対する耐性が必要な場合は、それらの特性を持つ材料を選択することが重要です。 - 寸法精度と表面仕上げ:
印刷された部品の寸法精度や表面仕上げも重要です。特定の材料が特に寸法精度や滑らかな表面を必要とする場合、それに合った材料を選択する必要があります。 - 柔軟性
柔軟性が必要な場合、TPUなど靭性のある特殊な材質を選ぶ必要があります。 - コスト
材料のコストも重要です。プロジェクトの予算に合わせて材料を選択する必要があります。 - 外観
色や仕上がりの艶具合、透明性など、外観を重視する場合は仕上がりの色で選定しましょう。
総括
PLAやABSなどは家庭用のFDM方式の3Dプリンターでも出力できますが、SLSやMJFなどは数千万~億単位する機械が使われることもあるため、PCBWayに依頼して出力してもらうメリットは大きいのではないでしょうか。
プラスチックや金属材料の加工方法として3Dプリントという選択肢が増えれば、試作・製造のサイクルは格段に良くなるかと思います。
オンライン上で一瞬で見積もりできますので、ぜひ活用してみて下さい。
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