P21とは析出硬化系のプリハードン鋼で、JIS規格ではなくASTM(米国試験材料協会)規格の材料です。日本のJIS規格において同等の規格はありません。
ブランド鋼であるNAK55やHPM1は、このP21改良系の材料です。
プリハードン鋼とは? → プリハードン鋼
HPM1とNAK55とは?
HPM1は日立金属工具鋼(株)のブランド鋼で、NAK55は大同特殊鋼(株)のブランド鋼です。
どちらもP21改良系の材料になっており、切削性に優れています。
P21の硬度がおよそHRC32~35に対し、HPM1とNAK55はどちらもHRC40程度となっています。
これらの材質について詳しい記事はこちら → HPM1 NAK55
P20との違いは?
P20とP21は名前が近いものの、両者は全く別物です。
P20はJISで言うSCM430~440同等のクロムモリブデン鋼です。
一方のP21はNi-Al-Cuを含む析出硬化系の合金です。
含有する成分も大きく異なります。
P20についての詳しい記事はこちら → P20