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【フィラメント】PLAとは?一番造形がしやすいPLAフィラメントの性質や特徴を解説

インクジェットプリンタにインクが必要なのと同様に、熱積層の3Dプリンタで造形するには「フィラメント」と呼ばれる樹脂材料が必要です。

フィラメントとは、細く非常に長い繊維状のものを指します。
その細い繊維が束となり、リールに巻き付いた状態でフィラメント材料として販売されています。

熱積層造形においては、そのフィラメントを3Dプリンタにセットし、熱した金属製のノズルで溶かし出す事によって造形していきます。

そんなフィラメントですが、プラスチックや炭素繊維など様々な種類があります。
今回はプラスチックの中でも「PLA」という材料について解説していきます。

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PLA 特性

PLAとは

LA(ポリ乳酸)はプラスチック素材であり、ポリエステル類に分類されます。
植物性由来のバイオプラスチックで、トウモロコシ・てんさい・じゃがいもなどから抽出されたデンプンから作られています。
3Dプリンタ用のフィラメント(熱溶解積層法における材料)として広く使われています。

PLAは造形が簡単で扱いやすいため、現在最も人気の高いフィラメントと言われることがあります。
ちなみに造形難度は一般的に PLA>PETG>ABS とされております。
私自身もそれぞれのフィラメントを使用した実感として、上記の造形難度順は概ね正しいと思います。

【価格の目安】
1kgあたり2,300~4,000円程度です。

【色の種類】
白・黒・グレー・金・銀・赤・青・黄・緑・ピンク・水色・オレンジ・ウッド
シルク調・多色などバリエーションが多いです。

PLAフィラメント使用時の一般的な設定

ノズル温度:190-220℃程度
プラットフォーム温度:0-60℃
エンクロージャー:密封しないで良い
冷却ファン:ON

ヒートベッド無しでも簡単に造形ができます。

プリント温度軟化温度耐衝撃性靭性印刷中の反り印刷中の匂い吸水率印刷難度
ABS240~250℃100℃△ 
反りやすい
×
きつい
0.2~0.6%○~△
普通~やや難
PLA190°~220℃60℃
反りにくい

少ない
0.3~0.5%
簡単
ABSとPLAの比較

PLAの長所

PLAの短所

主な用途

造形が安定しており安価で手軽にプリントができるので、素早くプロトタイプのモデルを製作することができます。

PLAフィラメント使用時のトラブルシューティング

さまざまなPLAフィラメント

PLA-CF(カーボンファイバー)フィラメント

PLAにカーボンファイバーを20%前後添加したフィラメントです。
【長所】
・通常のPLAよりも強度、硬度に優れる
・マットな仕上がりで外観の高級感がUP
【短所】
・靭性が若干低下するため、曲げに対する力に少し弱くなる
・ノズルの摩耗が激しいので、太めの硬化鋼ノズル(0.6mm)やタングステンノズルの使用推奨

シルク系PLA

Bitly

こちらはシルクのような光沢をもったPLAフィラメントです。
通常のPLAよりもノズル推奨温度が10℃程度高くなっていることがあります。
また、ヒートベッドを使用した方が造形が安定します。

温度が低すぎるとダマになってうまく造形できない場合もあるので注意しましょう。

蛍光フィラメント

Bitly

暗闇で光る蛍光フィラメントです。
色の変化を楽しむことができます。

実際に蛍光フィラメントを使用した時の記事はこちらです↓
暗闇で光る!蓄光フィラメントを使ってみた

グラデーションカラーフィラメント

Bitly

こちらはグラデーションを楽しめるカラーフィラメントです。
光沢もあって普通のPLAとは違った色味があります。

気軽に買える安価なフィラメント

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