【機械図面記号】深座ぐり(ザグリ)記号とは?穴加工の表記を解説

ザグリ=座ぐりとは「凹み」を意味し、図面上で部品の形状や寸法を示すために使用されます。
六角ボルトの穴を沈めたり、部品が干渉しないための窪みを設ける際などに図面に指示します。

下図のように、青矢印で指示した部分の穴窪みがザグリ(深ザグリ)です。
例では六角穴付きボルトの頭がしっかりと沈むように寸法を指定しています。

ザグリの図示

ザグリの図示は一般的に下記のようなものになります。
旧JISと新JISが入り乱れているので注意しましょう。
(現在も旧JIS表記の図面が多く出回っています)

旧JIS表記

新JIS表記

上が旧JIS表記で下が新JIS表記です。(クリックで拡大できます)
平面図に指示する場合と側面図に指示する場合をそれぞれ例示しています。

赤線部が下穴&加工方法青線部がザグリ径黄線部が穴深さの指示です
つまり、φ9のドリルで貫通穴をあけて、その後にΦ14径のザグリを深さ8.6mmで加工するという内容です。

※キリ=指定径のドリルで貫通加工する図示です

深ザグリとザグリの違いは?
一般的に、穴の深さを指定しない浅い1mm程度のザグリが通常のザグリです。
それに対し深ザグリは穴の深さを指定する2mm以上のザグリを指す事が多いです。
ただし定義は曖昧で、わざわざ深ザグリと言わずに全てザグリと呼ぶ事もあります。

上図のようにザグリ加工をしたブロックはM8の六角穴付きボルトの頭がしっかり沈んでくれます。
この加工指示を間違えると、ボルトの頭が飛び出てしまったり部品が干渉してしまったりと組付け不良などの原因となります。
重要な指示ですので、間違えないように注意しましょう。