ベリリウム銅は銅にベリリウム(Be)を0.5~3%添加した銅合金で、銅合金中で最高の硬度を誇ります。耐食性や強度に優れており、溶接機の部品や電極など幅広い分野に使用されます。
機械加工に用いられる主なベリリウム銅には、BeCu25とBeCu50などがあります。
化学成分 | Cu | Pb | Fe | Sn | Zn | Be | Ni | Ni+Co | Ni+Co+Fe |
C1720 (BeCu25) | a) | – | a) | – | – | 1.80~2.00 | a) | 0.20以上 | 0.6以下 |
ベリリウム銅 特徴
- 伝導性に優れる
- 耐食性に優れる
- 耐摩耗性に優れる
BeCu25(C1720)とBeCu50の違い
両者はベリリウムの含有量が違います。BeCu25はベリリウム含有量が多く強度に優れており、BeCu50はベリリウム含有量が少なく導電性に優れております。
BeCu25(C1720)
BeCu25は高ベリリウム銅合金に分類され、ベリリウムを1.8~2.0%程度含有しております。時効硬化により、最大1350N/mm2程度の引張強度を得る事ができます。銅合金の中で最も硬度を得る事ができる材料です。JIS規格名はC1720で、板材のベリリウム銅ではこの材料が一般的です。
BeCu50
BeCu50は低ベリリウム銅合金に分類され、ベリリウム含有量が1.0%以下です。高い導電性に加え、十分な機械的機能を有する材料です。
(JIS Z 3234に抵抗溶接用電極材料として類似の材質はございますが、化学成分は確認できておりません。)
ベリリウム銅の注意点
- ベリリウムは毒性が有るので注意
ベリリウムは有害性があるため、切削加工する際は粉末を吸引しないよう注意が必要です。
ただ、ベリリウム銅合金を使用した”製品自体”については毒性を憂慮する必要はありません。 - 材料費が高価
ベリリウム銅は材料費が高価なので、部品の総コストが高くなる傾向があります。あくまでほんの一例ですが、1kg程度の板材において真鍮の約3.5~4倍程度の価格になる場合がございます。
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参照
”JIS H 3130:2018 ばね用のベリリウム銅,チタン銅,りん青銅,ニッケル-すず銅及び洋白の板及び条 ”..2022-03.https://www.jisc.go.jp/index.html
”JIS H 3270:2018 ベリリウム銅,りん青銅及び洋白の棒及び線 ”.日本産業標準調査会.2022-03.https://www.jisc.go.jp/index.html