【初心者でも簡単】PCBWayのスタンダード基板サービスを使ってみよう!

電子工作や製品開発に欠かせないプリント基板(PCB)。そんな基板を手軽にオンラインで注文できるサービスとして人気なのが、PCBWayです。今回はその中でも、最もスタンダードな「スタンダード基板」について、使い方やオプションの選び方をわかりやすく紹介します。


1. PCBWayの基板サービスとは?

PCBWayは、中国を拠点とする高品質・低価格な基板製造サービスです。今まで3DプリントやCNC加工サービスなどを紹介してきましたが、電子基板の作成サービスがメインの会社となっております。
個人のホビーユースからプロの開発者まで幅広く支持されており、日本語にも対応しているため安心して注文ができます。

主なサービス内容は以下の通り:

  • スタンダード基板(FR-4素材など)
  • アドバンスト基板(より高い信頼性と耐久性のあるPCB)
  • FPC / リジッドフレックス基板(曲げることが可能な基板)
  • メタルマスク
  • 部品実装サービス
  • CNC / 3Dプリントなどのプロトタイピング対応

2. 「スタンダード基板」ってどんなサービス?

PCBWayのスタンダード基板は、一般的な電子機器やIoTデバイスに最適な2層または多層のFR-4基板が手軽に注文できるサービスです。

  • 最低注文数:5枚〜
  • 最小パターン幅/間隔:3/3 mil対応
  • 最小ドリル径:0.15mm
  • 選べる色や厚み、表面処理などオプションが豊富

3. 実際の注文フロー(画像解説付き)

STEP 1:基本仕様を入力

  1. 基板の種類
    基板は面付けまたは面付けなしで出荷されます。 部品実装量産(製造枚数が30を超える)注文については、面付けして出荷することをお勧めします。面付け後に部品実装効率を向上させることができます。
    「面付け」とは、1枚の大きな基板上に、複数個の小さな基板をまとめて配置する方法のことです。製造効率の向上、コスト削減、部品実装の自動化などの理由から、PCB製造ではよく使われる手法です。
  2. 異なった面付けの種類
    これは、vカット、ルーター切り出し面付け、ミシン目面付け、またはその他の方法で分離された異なるデザインがファイルにあることを意味します。 1つのGerberファイルに異なる種類のPCBデザインがある場合は、追加の面付け料金を請求します。

3.寸法
基板サイズとは、お客様が注文した基板の長さと幅のことです。
円板の場合、縦横とも円の直径です。規則な形状の板材の場合は、最大の形状範囲で縦横を測定します。

4.数量
ご希望の基板(面付けなし)枚数をお選びください。標準PCBの場合、最低発注量は5枚です。

5.層数
基板中の銅層の数。PCBwayが現在生産できる最高層数は16層で、基板層数が14層を超える場合はAdvanced PCBページ見積を選択してください。

6.[計算する]ボタンで価格を確認
その他の詳細項目もありますが、ここまで入力すれば、計算するボタンで価格が表示されます。

7.ガーバーファイルを添付
ガーバーファイルを提出し、見積もり回答を待ちます。

8.発注して完了!
見積が終わったら発注して完了です。あとは到着を待つだけです

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現在PCBWayではパープルソルダーマスクの無料キャンペーンを行っております。
カスタム基板にインパクトを与える鮮やかなパープルカラーを追加料金無しで利用できます。
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EXTRA:材質・厚み・色・表面処理などの詳細設定

PCBWayでは、基板の用途や機能に応じて細かく仕様をカスタマイズできます。ここでは、それぞれの選択項目について詳しく見ていきましょう。


■ 材質(Material)

  • FR-4(標準)
     最も一般的に使われているガラスエポキシ樹脂基板。強度・耐熱性・絶縁性に優れ、多くの電子製品に採用されています。迷ったらこれでOK。
  • アルミ基板
     放熱性が高く、LED照明など熱を持つ製品に最適。
  • Rogers(ロジャース)基板
     高周波特性が必要なRF/マイクロ波設計向け。無線機器や通信機器に使用。
  • HDI(高密度実装)
     高密度な配線やビルドアップ層が必要な場合に選択。スマートフォンなど高度な製品に対応。
  • 銅ベース
     銅ベースはアルミ基板よりも熱伝導性に優れます。

初心者や試作段階では FR-4 を選ぶのが無難です。

■ 板厚(Board Thickness)

  • 選択肢:0.2mm〜3.2mm
     (最も一般的なのは 1.6mm
  • 用途による選び方
    • 0.6mm以下:薄型デバイスや可撓性のある設計に
    • 1.0~1.6mm:一般的な回路基板に
    • 2.0mm以上:構造的に強度が必要な場合に

標準的な設計であれば 1.6mm を選ぶのが無難です。


■ 最小パターン幅/間隔(Trace/Space)

  • 3mil, 4mil, 5mil, 6mil, 8mil などから選択可能。
  • 一般的には 6mil 程度で十分ですが、より高密度な配線を行いたい場合は 4mil以下 を選ぶことで実現可能。

■ 最小穴径(Min Hole Size)

  • 選択肢:0.15mm〜1.0mm
     0.3mmが標準的なスルーホールとしてよく使われます。
  • 小型の部品や微細な設計には小さい穴径が必要ですが、加工費が上がる可能性もあるため注意。

■ レジスト色(Solder Mask)

レジストは、配線の露出を防ぐ絶縁コーティング。色の選択肢は以下の通り:

特徴
最も一般的。コストが安く、視認性も高い
赤、青デザイン性を持たせたいときに人気
高級感あり。カメラや可視光に影響する製品にも
LEDやディスプレイに適しているが、汚れやすい
黄、紫特殊色として目立たせたいときに
つや消し緑、つや消し黒光の反射を抑えたい用途に最適

製品の外観や使用環境に合わせて色を選ぶとよいでしょう。


■ シルク(Silkscreen)

  • シルク印刷は、部品名・極性・ロゴなどを基板表面に印刷する工程です。
  • 色の選択肢は 白(標準)・黒・黄・なし
  • レジスト色とのコントラストを考慮して選ぶのがポイントです。

 例:
 - 黒い基板には白シルクが見やすい
 - 白い基板には黒シルクが推奨

基板上に印刷された情報の可読性が重要なため、コントラストの高い組み合わせがベスト。

総括:はじめてでも安心、PCBWayの「スタンダード基板」発注ガイド

PCB製造は複雑そうに見えても、PCBWayの「スタンダード基板」サービスを利用すれば、必要な項目を順に選ぶだけで、誰でもスムーズに発注できるようになっています。この記事では、基板の種類、材質、厚み、処理方法など、選択肢のひとつひとつに意味があることをご紹介しました。

特に、FR-4やアルミ基板のような素材選び、レジストやシルクといった表面処理、さらにはレイヤー数やパターン幅といった設計的な要素まで、用途や目的に合わせた柔軟なカスタマイズが可能です。

PCBWayのオンライン見積もりツールでは、リアルタイムで価格が表示されるため、コスト感を持ちながら仕様を調整できます。試作品から量産前提の設計検証まで、幅広く対応できる「スタンダード基板」サービスは、開発者にとって心強い存在です。

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