さて、前回の記事では挿入でのパーツ結合を紹介しました。
手軽さはあったものの、やはり結合力に不安が残ります。
今回はPLA×タップということで、2つのシャフトにそれぞれオネジとメネジを設け、
ネジでの結合を検証していきます。
今回も前回と同じサイズのシャフトを作っていきます。
サイズ:φ25 x 150mm
![](https://lunar-creation.com/wp-content/uploads/2021/03/SHAFT_page-0001-1024x724.jpg)
1. 75mm x 2個に分割してM8のオネジとメネジをつくる
今回も75mmのシャフト2個に分けます。
それぞれにオネジとメネジを設け、タップでの結合をしていきます。
今回は造形後の寸法変化を度外視し、クリアランスなしでそのままM8を造形していきます。
![](https://lunar-creation.com/wp-content/uploads/2021/03/M8-e1616665720113.png)
今回は充填率30%、インフィルは六角形で造形していきます。
本来であれば今回のようなタップの造形は、充填率100%に近い方がいいかと思いますが、
時間と樹脂消費の少ない実用的な方法を探っていきたいという意図もあります。
![](https://lunar-creation.com/wp-content/uploads/2021/03/30.jpg)
充填率30%の場合は3時間程度
樹脂使用は18.9m
![](https://lunar-creation.com/wp-content/uploads/2021/03/Inked100_LI.jpg)
充填率100%の場合は4時間30分程度
樹脂使用は45.64m
さて、印刷が完了しました!
![](https://lunar-creation.com/wp-content/uploads/2021/03/zoukeimae-1-1024x648.jpg)
オネジの方は当然ですがガタツキがでてますね。
![](https://lunar-creation.com/wp-content/uploads/2021/03/IMG_20210315_143016-2-1024x896.jpg)
メネジは一見キレイですが、
こちらも引っ掛かりがありそうです。
タップとしての機能を果たしているか確認してみます。
結構無理やりですが、一応入っていきました、、
このままでも使えなくはないですが、M6以下で造形した場合は厳しそうです。
小さいサイズでのタップ造形は、また次回検証していきたいと思います。
2. タップダイスでネジ穴を修正してみる
さて、このままでも使えなくはないですが今回はタップダイスでの修正の有用性も検証していきたいと思います。l今回私が使用したタップダイスはこちら
![](https://lunar-creation.com/wp-content/uploads/2021/03/d6af8d3fcb9cfa254ff511949f1fb380-4-1024x487.jpg)
まずはオネジを修正します
![](https://lunar-creation.com/wp-content/uploads/2021/03/a1106253eeaf2073ab6ff84cb2a4e289-1-1024x542.jpg)
こちらは修正したオネジです。
ちょっと汚いですがダイスの汚れです。
写真ではわかりにくいですが、修正後に比べるとつっかかりが取れています。
![](https://lunar-creation.com/wp-content/uploads/2021/03/syuuseioneji-1024x716.jpg)
次はメネジを修正していきます。
![](https://lunar-creation.com/wp-content/uploads/2021/03/0a3a0b6a6c10be558331b51e9ef72222-2-1024x729.jpg)
修正すると穴からキリコが出てきました。
少なくとも排出されたキリコ分はスムーズに入っていくでしょう。
![](https://lunar-creation.com/wp-content/uploads/2021/03/9309f5d41f5668ff2dd5f5118106fd20-1-1024x643.jpg)
それでは修正後のネジのはめ合いを確認してみましょう!
今度はスムーズに入っていきました!
まとめ
今回は”オネジとメネジ”にて部品を結合してみました。
結合力は結構ありますが、造形してそのまま使うのにはあまり向いていません。
ネジを造形してから、タップ・ダイスで修正するという方法がベターだと思います。
タップ・ダイスはねじ修正だけでなく、ねじ切りにも使うことができます。
しかし、ねじ切りをする場合は充填率が低ければ当然割れてしまいます
なので、「充填率100%近くで下穴を造形」→「ねじ切り」
という流れになるかと思います。
強度的にはそちらの方が高いかと思いますが「修正」の方が手軽ですし、
造形の時間短縮にもなります。
ありがとうございました!
次回は真鍮のネジインサートを使用したネジ止め編
・【3Dプリンタ パーツの結合方法 part3】ネジインサート編