【フィラメント】ABSとは 3Dプリンター素材の特徴や性質を解説。PLAとの比較も

ABS樹脂とは、下記3種類の特徴を持った熱可塑性汎用プラスチックの一つです。
3Dプリンターのフィラメント(材料)として広く使われています。

・A=アクリロニトリル
・B=ブタジエン
・S=スチレン

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ABS 特徴

【一般的な使用条件】
ノズル温度:240-250℃程度
ヒートベッド温度:80-100℃程度

【価格の目安】
・1kgあたり2,300~4,000円程度

【主な用途】
汎用性が非常に高く、耐衝撃性もあるので様々な部品の治具や最終製品としても使用が可能です。

長所
  • 優れた耐衝撃性
  • 耐薬品性がある
     アセトンなどには弱いので注意が必要です。
  • 加工性が良い
     造形後の磨きや追加工もしやすいです。
  • 靭性がある
短所
  • 温度管理が必要
     造形が簡単なPLA樹脂と違い、適切な温度管理が重要です。ヒートベッドを搭載した密閉型のプリンタ等でなければ造形できない場合もあります。機種の対応材質を確認してください。
  • 反りやすく、プリント中の匂いがきつい
     熱収縮性が高く、造形中に反りやすいです。また、PLAよりも匂いがキツイので使用中は必ず換気しましょう。
  • 耐候性が高くない
     直射日光などに長時間さらし続けると劣化してしまいます。耐候性が必要な場合はASAフィラメントをおすすめします。
  • 耐熱性が低い
     100°程度で軟化をするため、高温状況下での使用は避けた方がいいです。
プリント温度軟化温度耐衝撃性靭性印刷中の反り印刷中の匂い吸水率印刷難度
ABS240~250℃100℃△ 
反りやすい
×
きつい
0.2~0.6%○~△
普通~やや難
PLA190°~220℃60℃
反りにくい

少ない
0.3~0.5%
簡単
ABSとPLAの比較

汎用プラスチックのABSとは違う?

ABSは切削加工などでも使われる汎用プラスチックです。素材自体を構成する成分は似ておりますが、3Dプリンターでの熱溶解積層方式では内部構造が細かい層状になります。そのため、切削加工で作られたABSよりも結合力は弱く、全く同じような機械的特性は得られないと言えます。

すぐに購入できるABSフィラメント

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ABS造形時の反りなどのトラブルシューティング