【3Dプリンタ素材】PA12とは?MJF方式3Dプリンタ材料の特徴を解説

PA12はポリアミドの中でも最も低密度な材料です。
ポリアミドは一般的にナイロンの愛称で知られています。
衣料品など日常生活で身近なナイロンは”ナイロン6″や”ナイロン66″といった密度の高いナイロンです。
そんなナイロンの中でもPA12は3Dプリンタの材料としても注目を浴びており、MJF方式の3Dプリントとして主に使われている材料です。
MJF=Multi Jet Fusionとはヒューレットパッカード(HP)社独自の技術による3D造形で、粉末状の材料を積み上げた後に熱を加えて樹脂を融合させる方法です。
強度が高い造形物を高速で作ることができるため、生産性を向上させることができます。

PA12と類似素材
  • PA12
     低コストかつ物理的特性に優れたナイロン
     寸法安定性、耐候性にも優れる
  • PA12GB
     PA12の強化品でガラスビースが配合されたもの
  • PA11
     PA12よりも靭性のあるナイロン 




MJF方式の特徴、製法

引用:HP3Dプリンター製品ページ(HP Jet Fusion 4200)
MJFな造形の流れ
  1. 造形材料を敷き詰めていく
     粉末状の熱可塑性樹脂を敷き詰めていきます。
  2. 液体を高速噴射する
     溶解促進剤と表面装飾材を噴射します。
  3. 加熱する
     熱を加えて樹脂を溶かします。
  4. 1~3の工程を繰り返して完成
長所
  • 異方性が無い為、強度差がほとんどない
     熱積層造形などの場合は積層方向があるので平面方向と垂直方向で強度差がありますが、MJFは方向性による物理特性の変化がほぼありません。
  • 造形が早く量産も可能
     点ではなく面で照射するため、一気に大量の部品を生産する事ができます。
  • 材料の再利用性が高い
     再利用材料に20%の新規材料を加えるだけで次の造形をする事ができます。(PA12の場合)
  • 気密性が高い
     空気漏れがなく、空圧で駆動する部品にも適しております。
短所
  • 導入が難しい
     企業向け3Dプリンターなので、導入コストや維持管理のハードルが高いです。
    Jet Fusion 4200シリーズで4,000万円~が目安となっております。

参照

”HP 3Dプリンター”.HP Japan Inc..2022-11.https://jp.ext.hp.com/printers/3d-printers/