検査の種類とは?受入検査・出荷検査、全数検査・抜取検査などの分類について解説

品質管理における「検査」は様々な分類がされています。
例えば、受入検査や出荷検査といった検査段階による分類、全数検査や抜取検査といった検査方法による分類などがあります。

これらの分類方法を詳しくみていくことで、それぞれの特徴と違いを理解しましょう。

段階による分類

  • 受入検査
     原料品、半製品、製品を受け入れる段階において、受入の可否を判定する検査
    例:材料屋から炭素鋼S45Cの丸棒材料が納入された。検査したところ、外形サイズの公差が規格外だったため返品した。
  • 工程間検査
     工場の工程間で、半製品を後工程に進めてよいかを判定する検査
    例:金属加工部品の旋盤加工が終わった。次の工程はメッキ処理なので、現段階で寸法に問題がないか検査する。
  • 最終検査
     完成した製品が要求事項を満たしているかどうかを判定する検査
    例:メッキ処理が終わったので、膜厚が乗った最終寸法が規格に収まっているか検査を行う。
  • 出荷検査
     出荷直前に行う検査
    例:3カ月保管していた金属加工部品の完成品を出荷することになった。出荷する前にサビなどが発生していないか検査する。

性質による分類

  • 破壊検査
     製品の価値を損なうような破壊を伴う検査。
    例:強度を計測するために、製品が破損するまで圧力をかけ続ける検査を行う。
  • 非破壊検査
     製品の価値に影響を与えない検査。
    例:画像分析器を用いた検査を行う。

検査方法による分類

  • 全数検査
     製品におけるロット内全ての検査を行う。
    例:ネジ部品を300個製作した。全数検査なので300個全て検査を行う。
  • 抜取検査
     あらかじめ定められた抜取個数に従って、ロットからサンプルを抜き取って検査を行い、そのロットの合否を判断する。
    例:ネジ部品を900個製作した。検査方法は抜取検査である。弊社の抜取規定では「600個~900個の場合は100個サンプルを抜き取り、99%に問題がなければロット合格」と決まっている。したがって900個から100個抜き取って検査を行う。
  • 間接検査
     供給者が行った検査の結果を確認することで製品の受入検査を省略する検査。
    例:仕入先のA工場から完成部品が納品されてきた。B工場の場合は自社で再度検査するが、A工場は弊社の基準を満たす検査器具をもっており、検査工程能力が十分だと判断している。そのため、A工場の検査図面を確認することで、自社での再検査を省略することとする。
  • 無試験検査
     製造工程の品質や技術情報に基づき、製品の検査を省略する検査。
    例:A工場から材料を仕入れているが、10年間に渡って寸法の不適合品が納入されることもなく、万が一、不適合があったとしても次工程に影響がないため、検査を省略する。
  • 官能検査
     官能検査とは、測定器を使って数値で測るものではなく人間の感覚を使って品質特性を評価する検査である。官能検査には次の2種類がある。
     1.分析型官能検査
     製品の性質や特性の差を判別する検査。検査者は、ある程度訓練を受けたものか、またそれに準ずる判別能力を有しているかどうかが鍵となる。検査人数は少なくても問題ない。
     2.嗜好型官能検査

     製品の好みを調査するために行う検査。検査者は、一般消費者の代表的な立ち位置になるため、特別な能力を有している必要はない。多人数で行った方が正確なデータを得る事ができる。