QC7つ道具のひとつ、チェックシートとは
チェックシートとは、あらかじめチェックする項目を決め、現場などでも簡単に記入できるようにした記録用紙です。
データ分類や不具合項目の出現率をひと目で確認することができるだけでなく、事故の予防や作業漏れを防ぐためにも活用することができます。
また、チェックシートには「誰でも簡単に素早くデータの整理・チェックができる」というメリットもあります。
チェックシートには「調査用」と「点検用」の2種類があります。
調査用のチェックシートはデータ収集をして現状を把握するのが主な目的です。
点検用は、予め設定した点検項目が満たされているかを確認するのが主な目的です。
では、それぞれのチェックシートの特徴を詳しくみていきましょう。
調査用チェックシート
調査用チェックシートは、前述のようにデータを収集して現状を把握するのが主な目的として用いられます。
例として下記のような用途で用いります。
・どのような不具合や不適合が、どのくらいの頻度で発生しているかをチェックする
・部品の寸法のバラツキをチェックする度数分布表
・図やイラストなどを用いて直接書き込むチェックシート
不具合の発生頻度を調べるだけでなく、寸法値が適正値からどの程度ばらつきがあるか確認したり、製品のキズなどを図に直接書き込んで視覚的に把握するチェックシートとして活用する事ができます。
上の図のチェックシートでは「見積もり回答が遅い」という項目が一番多いことがわかります。
クレーム対応は、対応窓口を設けてデータを収集し、全社員で現状を共有する事が重要です。
チェックシートを作りデータを見える化する事によって、社員の意識を変える手助けとなります。
点検用チェックシート
点検用チェックシートは、チェックしたい項目を予め書き込んで並べた表です。
コンビニなどに貼ってある「トイレの点検チェックシート」を思い浮かべると分かりやすいかと思います。
例として下記のような用途で用いります。
・検査時に漏れが無いよう点検項目を確認
・事故防止のための安全項目の確認
・運転前の安全チェック
点検用チェックシートはスピーディに確認作業を行うことができ、最小限の時間でリスクを低減させることに貢献します。
チェックシートのメリット
・誰でも簡単に記録できる
あらかじめ項目が用意されているので、ひと目見ただけでチェックすべき内容がわかります。
・その場ですぐに書き込める
現場作業中でもすぐに書き込めるので、パソコンなどが用意できない場面でも使えます。
・集計結果がひと目でわかる
その場で見ただけで集計結果がわかります。
チェックシートの作り方
- 目的を決める
どのような意図をもって、何のためにチェックを行うかを決めます。 - チェックのルールと項目をきめる
項目を設定したら、いつどこで誰がチェックするかルールを明確にします。 - 図や表の形式を決める
どのような図、表が適しているかを判断して形式を決定します。 - 実際にチェックを行う
- フィードバックする
一番重要なのはフィードバックを行うことです。チェックすることによってどのような結果がもたらされたか、今後どのような対策を行うべきかを話合います。
チェックしただけで満足するのではなく「適切に運用されているか」「項目に不備はないか」など次のステップを進みながらチェックを続けていきます。