3Dプリンタの造形方式にはMJFという方式があります。
これはMulti Jet Fusionというヒューレットパッカード(HP)社独自の技術による3D造形で、粉末状の材料を積み上げた後に熱を加えて樹脂を融合させる方法です。
強度が高い造形物を高速で作ることができるため、生産性を向上させることができます。
MJFな造形の流れ
- 造形材料を敷き詰めていく
粉末状の熱可塑性樹脂を敷き詰めていきます。 - 液体を高速噴射する
溶解促進剤と表面装飾材を噴射します。 - 加熱する
熱を加えて樹脂を溶かします。 - 1~3の工程を繰り返して完成
MJF方式の特徴
長所
- 異方性が無い為、強度差がほとんどない
熱積層造形などの場合は積層方向があるので平面方向と垂直方向で強度差がありますが、MJFは方向性による物理特性の変化がほぼありません。 - 造形が早く量産も可能
点ではなく面で照射するため、一気に大量の部品を生産する事ができます。 - 材料の再利用性が高い
再利用材料に20%の新規材料を加えるだけで次の造形をする事ができます。(PA12の場合) - 気密性が高い
空気漏れがなく、空圧で駆動する部品にも適しております。
短所
- 導入が難しい
企業向け3Dプリンターなので、導入コストや維持管理のハードルが高いです。
Jet Fusion 4200シリーズで4,000万円~が目安となっております。
MJF方式に対応した主な材質
- PA12
低コストかつ物理的特性に優れたナイロン - PA12GB
PA12の強化品でガラスビースが配合されています - PA11
PA12よりも靭性のあるナイロン
参照
”HP 3Dプリンター”.HP Japan Inc..2022-11.https://jp.ext.hp.com/printers/3d-printers/