【酸化被膜】黒皮とは 鉄鋼材料の表面にある黒い皮の特徴や除去方法を解説

黒皮とは、熱間圧延鋼板などの金属表面にできる黒い酸化被膜です。
これは錆の一種ですが、赤錆とは違い「内部に侵食することのない良性の錆」です。
ミルスケールと呼ばれることもあります。

黒皮が発生するメカニズム

熱間圧延などによって成形される鉄鋼は、鉄の温度が1000℃近くまで上がります。
その後温度が下がる際に「鉄の表面が酸化」することによって黒い酸化膜がつくられます。

黒皮材とは?

黒皮材とは「表面が黒皮で覆われたままの材料」を指します。

黒皮材の長所

  • コストが安い
     表面を処理していないため材料費が安い傾向があります。
  • リードタイムが短い
     材料が入荷するまでの時間が比較的短く、すぐに入手することができます。

黒皮材の短所

  • 表面状態が悪い
     表面がでこぼこしており、面粗度が良くありません。
  • 寸法精度が低い
     厚み、長さ、幅などの精度が低いです。
  • 防錆効果が薄い
     黒染めとは違い、剝がれやすく隙間や穴の多い被膜なので防錆効果はほとんど望めません。 
  • 外観が悪い
     くすんだ黒っぽい色をしており、外観は良くありません。

黒皮の除去方法

黒皮を除去するには「ブラスト処理や切削加工,グラインダーなどの研削」を施す必要があります。

黒皮材とミガキ材の違い

ミガキ材は、熱間圧延加工でつくられた材料を「冷間圧延加工によって再加工した材料」なので、表面が綺麗で「寸法精度が良い」です。
ただし手間がかかる分、多少ですがコストが高くなる傾向があります。
SS400やS45Cなどには黒皮材とミガキ材が存在しますので、用途にあわせて選択しましょう。