砲金とは錫(Sn)を10%前後含む銅合金で、「砲金」は青銅鋳物の古い呼ばれ方です。
CAC403やBC3、BC6なども砲金の一種です。
なぜ砲金と呼ばれる?
かつて錫10%程度の銅合金が大砲の鋳物として使われていたことから、砲金と呼ばれるようになりました。ガンメタルとも呼ばれます。
砲金の種類
砲金(青銅鋳物)は含有成分の量によって分類されます。
「BC表記とCAC表記」の違いは「旧JIS・新JIS」の違いのみです。
CACが新しい表記ですが、現在もBC表記の図面が多く残っています。
また、一般的にはBC3・BC6が多く流通しています。
新JIS記号 | 旧JIS記号 | Cu(%) | Sn(%) | Zn(%) | Pb(%) | 残(%) |
CAC401 | BC1 | 79.0~83.0 | 2.0~4.0 | 8.0~12.0 | 3.0~7.0 | ≦1.62 |
CAC402 | BC2 | 86.0~90.0 | 7.0~9.0 | 3.0~5.0 | ≦1.0 | ≦1.47 |
CAC403 | BC3 | 86.5~89.5 | 9.0~11.0 | 1.0~3.0 | ≦1.0 | ≦1.47 |
CAC406 | BC6 | 83.0~87.0 | 4.0~6.0 | 4.0~6.0 | 4.0~6.0 | ≦1.57 |
CAC407 | BC7 | 86.0~90.0 | 5.0~7.0 | 5.0~7.0 | 1.0~3.0 | ≦1.47 |
BC3(CAC403)とBC6(CAC406)の特徴
砲金の中でも代表的な2種類の特徴を解説します。
- CAC403
CAC406よりもさらに耐圧性・耐摩耗性・引張強さ・伸びが良いです。 - CAC406
耐圧性・耐摩耗性・被削性に優れています。
用途としては、どちらも軸受・バルブ・ポンプ部品・機械用部品などに用いられています。
砲金の長所
- 鋳造が容易
鋳造がしやすく量産に向いております。 - 耐摩耗性に優れている
- 耐食性、耐圧性に優れている
上記の特徴から主に配管パイプなど、水道周りの部品に使われます。
砲金の短所

- 材料費が高い
真鍮などの銅合金と比べると、銅の成分が多いので材料費が高いです。
Raytech(レイテック)では砲金加工部品も対応致します。
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参照
“JIS H 5120:2016 銅及び銅合金鋳物”.日本産業標準調査会.2022-02.https://www.jisc.go.jp/index.html