【表面処理】パーカーライジング(りん酸塩皮膜処理)・リューブライトとは 意味や特徴、メリットなど解説

リューブ 材料・処理知識

パーカーライジング(パーカー処理)は鉄鋼の表面にりん酸塩皮膜を生じさせる表面処理で、りん酸塩化成被膜処理とも言います。腐食防止の目的だけでなく、塗装の前処理としても用いられます。

リューブライトはりん酸塩皮膜処理の中でも「りん酸マンガン」を使用した処理を指します。
つまり、パーカーライジングの一部に属しますが、処理方法が限定されたものがリューブライト処理だと言えます。

パーカーライジングの種類

パーカーライジングは”りん酸塩”の溶液の違いにより処理が4分類されます。

  • りん酸亜鉛処理
     りん酸イオンと亜鉛イオンからできた溶液を使用する「りん酸塩皮膜処理の中で最もメジャーな処理」で、耐食性・密着性を大きく向上させます。膜が厚く防錆力は高いですが、美観は若干劣ります。
  • りん酸鉄処理
     りん酸イオンを使用した非常に薄い膜(~1μ)の処理です。防錆力は多少劣りますが、美観において優れています。
  • りん酸カルシウム処理
     「りん酸イオン・亜鉛イオン・カルシウムイオン」からできた溶液を使用した処理です。りん酸塩亜鉛皮膜と比べ耐熱性に優れており、高温での焼付塗装の下地に向いています。
  • りん酸マンガン処理(リューブライト)
     「りん酸イオン・マンガンイオン」を用いた処理で「リューブライト」とも呼ばれます。被膜が厚い(5~15μ)のが特徴で、摺動部品の潤滑被膜などに向いております。

パーカーライジングの特徴

  • 耐食性に優れる
  • 塗装の密着性に優れる
     密着性がよく塗装がはがれにくくなり、塗装の前処理として最適です。

処理手順の例

  1. 脱脂
  2. 水洗い
  3. 下地調整
  4. 化学処理
  5. 水洗い
  6. 湯洗い
  7. 乾燥