TC4は中国規格=GB規格のチタン合金です。
チタンは耐食性、耐海水性に優れるだけでなく、金属よりも軽く(比重は約4.5)比強度の高い材料です。
その中でもTC4は3D造形や鋳造としても使用されることがあるチタン材料です。
GB規格とは?
GB規格はGuo jia Biao zhunの略で、中国国家標準規格を意味します。
中国の規格には他にも「業界標準」「地方標準」「企業標準」といったものがあります。
規格の中でも「国家標準」は中国全土を対象とした標準なので覚えておきましょう。
日本のチタン材料との違い
日本におけるチタンの9割強は純チタンとなっており、さらにその中で化学成分、機械的性質によって4種類に分類されています。
参考として下記に純チタン4種類の成分を載せます。
N | C | H | Fe | O | TI | |
1種 (TP270 H等) | 0.03以下 | 0.08以下 | 0.013以下 | 0.20以下 | 0.15以下 | 残部 |
2種 (TP340 H等) | 0.03以下 | 0.08以下 | 0.013以下 | 0.25以下 | 0.20以下 | 残部 |
3種 (TP480 H等) | 0.05以下 | 0.08以下 | 0.014以下 | 0.30以下 | 0.30以下 | 残部 |
4種 (TP550 H等) | 0.05以下 | 0.08以下 | 0.015以下 | 0.50以下 | 0.40以下 | 残部 |
日本の純チタンとTC4の大きな違いは、アルミニウムとバナジウムの添加です。
TC4はアルミニウムとバナジウムを添加する事により、強度が上がっております。
対して日本の純チタン系は耐食性に優れているので、酸化物や海水に対する耐性が必要な場所での使用に向いております。
チタンのメリット
- 比強度が高い=軽くて丈夫
- 耐食性が高く、酸・アルカリ・海水などにも侵されにくい。
- 高温耐性がある
- 生体適合性が高く人体に対して安全であるため、人工骨などにも使用される。
チタンのデメリット
・切削加工が難しい
チタンは切削加工が難しく、熱をもつ上にすぐに工具が摩耗してしまいます。
・材料費が高い
チタンは高価な材料なのでコストが非常に高くなります。
・熱伝導性が低い
チタンの熱伝導性はステンレスと同程度で非常に低いです。
ただし、チタンは比重が小さいのでステンレスの6割程度の熱量で温める事ができます。
参照
”GB-TC4”.JFS.2023-09.https://www.jfs-steel.com/ja/steelDetail/GB-TC4-T3620T3621.html