CAC502Cは、りん青銅連続鋳物2種と呼ばれるCu-Sn-P系の材料です。
鋳造材料ですが、連続鋳造方式のため鋳巣が少なく組織が良好です。
耐食性及び、耐摩耗性に優れており、歯車や軸受けなどに使われます。
PBC2Cは旧JIS記号です。図面などに”PBC2″だけの記載がされているの場合は、一般的にはCAC502Cを指している事が多いですが、確認が必要です。
Cu | Sn | P | 引張強さ(N/mm2) | ||
CAC502A (旧PBC2A) | 87.0~91.0 | 9.0~12.0 | 0.05~0.20 | 残部 | 195以上 |
CAC502B (旧PBC2B) | 〃 | 〃 | 0.15~0.50 | 残部 | 295以上 |
CAC502C (旧PBC2C) | 〃 | 〃 | 0.05~0.50 | 残部 | 295以上 |
CAC502A,B,Cの違い
CAC502には三種類ありますが、P(りん)の含有量以外にも鋳造方法の違いがあります。
- CAC502A
鋳造方法は砂型鋳造(りん青銅鋳物2種)で、JIS H 5120によって規格されています。 - CAC502B
鋳造方法は金型鋳造(りん青銅鋳物2種)で、JIS H 5120によって規格されています。 - CAC502C
鋳造方法は連続鋳造(りん青銅連続鋳物2種)で、JIS H 5121によって規格されています。
連続鋳造では、鋳巣(鋳造物の内部に発生する小さな空洞)が少なく、良好な内部組織が形成されます。
CAC502Cの用途
ウォームギア、歯車、軸受け、その他機械部品
参照
”JIS H 5120:2016 銅及び銅合金鋳物 ”.日本産業標準調査会.2022-03.https://www.jisc.go.jp/index.html
“JIS H 5121:2016 銅合金連続鋳造鋳物”.日本産業標準調査会.2022-03.https://www.jisc.go.jp/index.html