HPM77の特徴
HPM77は日立金属工具鋼(株)が開発したSUS快削系の改良材です。
主に精密プラスチック金型の材料として使用される鋼材です。
日立のハイピーエムシリーズなので「ハイピーエム」とも呼ばれます。
HPM77の成分
化学成分(%) | C | Si | Mn | Ni | Cr | S |
HPM77 | 0.40 | 0.30 | 1.8 | 0.50 | 15.7 | 0.1 |
SUS420F | 0.26~0.40 | ≦1.00 | ≦1.25 | ≦0.60 | 12.0~14.0 | ≧0.15 |
HPM77の成分的に一番近いJIS規格はSUS420に快削成分を添加したSUS420Fだと言えます。
各種成分量は微妙に違いますが、HPM77の方が成分量の振れ幅も少なく安定した品質を保っていると言えます。
HPM77の長所
- 被切削性が良い
- 耐食性が良い
- プリハードン状態で出荷される
HRC29~33程度で出荷されるため、加工性は良好なままに適度な硬度が入っているので高硬度が必要でない場合は熱処理なしで使用する事ができます。硬度を上昇させたい場合は焼入れ焼き戻しでHRC50~55程度まで上昇させることができます。
HPM77の主な用途
- プラスチック金型、ゴム型
プラスチック金型やゴム型用の材料として主に使用されます。
加工方法について
- 切削加工◎
S(硫黄)が添加されているため、切削性は良好で加工がしやすい材料だと言えます。