【ダイス鋼】 SKD11とは 性質や特徴を解説

SKD11 金属材料

SKD11 特性

SKD11は耐摩耗性に優れた強度の高い合金工具鋼ダイス鋼とも呼ばれます。SKD11は炭素工具鋼(SK材)にクロムモリブデン・タングステンバナジウムなどを添加して作られております。

硬度と耐摩耗性に優れており、冷間金型の材料としてよく使用されております。

ダイス鋼とは

プラスチックなどの成形に使う金型をダイといい、その複数形がダイスです。

SKDはSteel(鉄) Kougu (工具)Dies(金型)の略で、その名の通り金型の材料としてよく使用されています。

SKD11の長所・メリット

  • 耐摩耗性に優れている
  • 熱処理のひずみが少ない
    熱処理をしてもあまり歪まないので、精密な部品に適しております。
  • 熱処理で高い硬度を得ることができる
    熱処理後の硬度はHRC58~62程度と高い硬度を得ることができます。
  • ダイス鋼の中では流通性が良い
    SKD11はダイス鋼の中でも使用されることが多く、比較的流通性がいいです。

SKD11は錆びにくいのか

SKD11はクロムを11~13%含有しており、マルテンサイト系ステンレス鋼と同程度のクロム量を保持していると言えます。

しかし、SKD11は炭素量が多いため(1.4~1.6%)ステンレス鋼には分類されません。
※ステンレス鋼は「炭素1.2%以下で、クロム10.5%以上の合金鋼」と定義されております。

一般的に、クロムが10.5%以上含まれていれば、大気中で不働態被膜を形成すると言われております。
しかし、材料の炭素量が多いほど耐食性が劣り、不働態被膜が形成される条件も阻害されてしまいますので、SKD11は錆びてしまいます。

なので、S50Cなどの炭素鋼などよりは錆びにくいが、マルテンサイト系ステンレスより錆びやすい材料だと言えます。

防錆を重視するのであれば、ハードクロムメッキなどを施すか、SUS440Cなど焼入れで硬度を上げる事ができるステンレス鋼への変更を検討した方がいいでしょう。

冷間金型とは?金型鋼は金型にしか使えない?

鉄などの材料を常温で加工することを冷間加工といいます。
定義は定かではありませんが、冷間での加工(プレスや鍛造など)に使用される金型のことを冷間金型と指すことが多いです。

また、SKD11は金型にしか使わないかというと、そうとも限りません。
後述のように治具などの材料として用いられることも多々あります。

SKD11の主な用途

焼入れ後の歪みが少なく耐摩耗性が非常に優れるため「プレスなどの金型」として使われるだけでなく「ゲージや耐摩耗治具」などにも適しております。
また、SKS材よりも熱処理変形は少ないです。

DC11やSLDとは?SKD11とは違う?

SKD11は「JISによって定められた規格」です。
一方DC11は大同特殊鋼が開発した「独自のブランド鋼」で、SKD11″相当”の材料です。
SKD11をベースに、独自の改良を加えております。
また、SLDも同じようにSKD11″相当”の日立金属の「独自ブランド鋼」です。

加工方法

  • 切削加工○
    S50Cなどの炭素鋼などと比べるとやや被削性には劣りますが、切削での加工は問題ありません。ただし、熱処理後は硬度が高くなるため切削加工は困難です。精度が必要な場合は研削加工などでの仕上げが適しております。
  • 放電加工○~◎
    ワイヤーカットによる変形も少なく、放電加工との相性がいいです。

処理について

めっき
前述のように、SKD11はクロムを11~13%含有しているので、SS400やS45Cと比べ錆びにくい材質と言えるでしょう。しかし、炭素量が1.4~1.6%と高いため、防錆の面で考えるとメッキをした方が良いといえます。

熱処理
高い耐摩耗性と硬度を得るために加工後に熱処理や窒化処理を施すのが一般的です。