【ステンレス鋼】SUS304とは 特性、性質やSUS303との違い、2B材などの意味も解説

SUS3430 金属材料

18-8系ステンレス SUS304

ステンレス鋼は、5大元素にクロムニッケルを加えた合金であり、その含有量によって種類が分類されています。

SUS304はCr約18%、Ni約8%を含んでいる「18-8系ステンレス」に属し「流通しているステンレスの50%以上」がこのSUS304だといわれており、最もポピュラーなステンレス材です。
板材・角材・丸棒などさまざまな形状で市場に流通しております。

SUS304とSUS303の違い

違いはSUS303にはリン硫黄が添加されているということです。そのためSUS303は切削性が向上しております。
そのかわり、耐食性と溶接性についてはSUS304の方が優れております。

SUS304の長所・メリット

  • 耐食性が良い
     SUS304はCrによって表面に不動態被膜を形成しており、錆を防いでおります。
    また自己修復性があるため、傷ついても瞬時に被膜を再生します。
    ただし塩分には弱く、塩素イオンによって不動態被膜が破壊されてしまうため注意が必要です。

SUS304の短所・デメリット

  • 被削性が悪い
     SUS304はS50Cなどの炭素鋼と比べ切削性が悪いです。
    また、熱伝導率が非常に悪いため金属や工具が熱を持ち、削りカスも排出されにくいです。
    切削時には、十分な量の切削油を使用する必要があります。

SUS304 No.1・2B・HLとは? 何が違う?

“2B”や”No.1″というのは材料の表面仕上げの違いです。
主に薄板材料(1~12mm程度の厚み)において使用される分類記号です。

  • No.1
     熱間圧延後、焼鈍しと酸洗いを施した材料です。銀白色をしており光沢がありません
  • 2B
     BはBright(輝き)のBです。ロールで冷間圧延加工をした表面に光沢がある仕上がりのステンレス鋼で、板金加工においてはこの2B材が最もポピュラーです。
  • HL(ヘアライン)
     HLはヘアラインのことで、細長い連続した研磨目がついた仕上がりになっております。
    建材において一番ポピュラーな仕上げで、傷も目立ちにくい上品な見た目になっております。
    エレベーターに使用されているステンレスは、ヘアライン仕上げのものが多いです。

加工方法について

  • 切削加工 △~○
    SUS304は硬く粘りがあり放熱性も悪いので、SS400やアルミ合金と比べて切削加工がしにくいと言えます。加工性を重視するのであれば、前述のSUS303への変更も検討すべきです。
  • レーザー加工 ◎
     SUS304は高出力のファイバーレーザーなどであれば、20mm程度までは問題なくレーザー加工ができます。また、厚み6mm程度までの板金加工においてもかなりポピュラーな材料なので、レーザー加工は多く使われております。
  • 曲げ、プレス加工 ◎
     先述のように板金部品に使用されることも多く、曲げやプレス加工にも適しております。
  • 溶接 ◎
     SUS304は良好な溶接が可能です。SUS303についてはリン・硫黄を添加しているため、SUS304より溶接性は劣ります。

表面処理について

  • めっき
     SUS304は耐食性が高いため基本的にメッキ処理をする必要はありませんが、硬度や耐食性をさらに上げたい場合などに、無電解ニッケルメッキや硬質クロムメッキを施すことがあります。
  • 焼入れ
     SUS304は低炭素合金なので焼入れによる硬度の上昇はありません。焼入れで硬度を上げたい場合は、SUS420J2やSUS440Cなどの「マルテンサイト系ステンレス」を選びましょう



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