チタンは耐食性、耐海水性に優れるだけでなく、金属よりも軽く(比重は約4.5)比強度の高い材料です。
日本におけるチタンの9割強は純チタンとなっており、さらにその中で化学成分、機械的性質によって4種類に分類されています。
その中でも、純チタン2種は最もバランスが良く汎用性の高い材料です。
チタン2種の中にも規格名があり、板材ではTP340H(熱間圧延)TP340C(冷間圧延)といったものがあります。
N | C | H | Fe | O | TI | |
1種 (TP270 H等) | 0.03以下 | 0.08以下 | 0.013以下 | 0.20以下 | 0.15以下 | 残部 |
2種 (TP340 H等) | 0.03以下 | 0.08以下 | 0.013以下 | 0.25以下 | 0.20以下 | 残部 |
3種 (TP480 H等) | 0.05以下 | 0.08以下 | 0.014以下 | 0.30以下 | 0.30以下 | 残部 |
4種 (TP550 H等) | 0.05以下 | 0.08以下 | 0.015以下 | 0.50以下 | 0.40以下 | 残部 |
引張強さ MPa | 耐力 MPa | 伸び % | |
1種 | 270~410 | 165以上 | 27以上 |
2種 | 340~510 | 215以上 | 23以上 |
3種 | 480~620 | 345以上 | 18以上 |
4種 | 550~750 | 485以上 | 15以上 |
純チタンのそれぞれの特徴
- 1種
強度が低いが伸びが大きいので、プレスなどの成形加工に向いています。 - 2種
加工性と強度のバランスがとれており、最も多く使われている汎用性の高いチタンです。 - 3種と4種
加工性は劣りますが、強度が高いチタンです。
チタンのメリット
- 比強度が高い=軽くて丈夫
- 耐食性が高く、酸・アルカリ・海水などにも侵されにくい。
- 高温耐性がある
- 生体適合性が高く人体に対して安全であるため、人工骨などにも使用される。
チタンのデメリット
チタンは切削加工が難しく、熱をもつ上にすぐに工具が摩耗してしまいます。また、材料が高価なのでコストが非常に高くなります。
チタンの熱伝導性はステンレスと同程度、つまり非常に低いです。
ただ、チタンは比重が小さいので、ステンレスの6割程度の熱量で温める事ができます。
参照
”JIS H 4600:2012 チタン及びチタン合金-板及び条 ”..2022-03.https://www.jisc.go.jp/index.html