G-STARは大同特殊鋼株式会社が開発した汎用・耐食プラスチック型用鋼です。
JIS規格でSUS420F同等品の改良系のプリハードン鋼と言えます。
耐食性と被削性を兼ね備えており、HRC33程度のプリハードン鋼なので、熱処理をせずにそのまま使用する事も可能です。
G-STARの成分
納入硬さ | C | Si | Mn | P | S | Ni | Cr | Mo | |
G-STAR | HRC31~34 | 0.35 | 0.30 | ? | ? | 0.10 | ? | 16.0 | 1.0 |
SUS420F | – | 0.26~0.40 | ≦1.00 | ≦1.25 | ≦0.060 | ≧0.15 | ≦0.60 | 12.0~14.0 | – |
G-STARは成分的にJISのSUS420Fに近いと言えます・
SUS420Fは、SUS420J2に硫黄(S)を添加して快削性を向上させた材料です。G-STARはそのSUS420Fよりもクロム含有量が多く、耐食性に優れています。
G-STARの用途
・汎用母型
・耐食性が必要な取付板や受板
・耐食性が必要な機械部品
G-STARのメリット
- 耐食性に優れている
高クロム系のステンレスなので耐食性に優れています。 - 被削性に優れている
通常のステンレスは、ねばく熱をもちやすいので被削性が悪いですが、G-STARは被削性が良好です。 - プリハードンの状態で納入される
納入時HRC33程度のため、熱処理無しでも使用可能です。硬度を上げたい場合は、焼入焼戻しで~HRC49程度まで硬くすることができます。
S-STARとの違い
納入硬さ | C | Si | S | Cr | Mo | V | 焼入 焼戻し硬度 | |
G-STAR (SUS420F改良系) | HRC31~34 | 0.35 | 0.30 | 0.10 | 16.0 | 1.0 | – | ~HRC49 |
S-STAR (SUS420J2改良系) | HRC31~34 | 0.38 | 0.90 | ? | 13.5 | 0.10 | 0.30 | ~HRC53 |
S-STARも大同特殊鋼(株)が開発したブランド鋼です。
S-STARはSUS420J2改良系で、G-STARはSUS420F改良系と言えます。
硬度、磨き性、放電加工性などを重視する場合はS-STAR
切削性、耐食性を重視する場合はG-STARが適していると言えます。