SK4は炭素工具鋼に分類される金属です。
現JISでは記号が「SK95」に変更されておりますが、今もなおSK4の名称が多く使用されています。
SK4(SK95)の化学成分
C(炭素) | Si(シリコン) | Mn(マンガン) | P(リン) | S(硫黄) | Cr(クロム) | |
SK4 | 0.90~1.00 | 0.10~0.35 | 0.10~0.50 | 0.030以下 | 0.030以下 | 0.30以下 |
SK95(SK4)は炭素量が多く強度の高い材料ですが靭性は劣ります。
また、焼入れ性はあまりよくありません。
SK85とSK105との比較してみましょう。
- SK85(SK5)との違い
成分的に異なるのは炭素量のみで、SK85の方が炭素量が少ないです(0.80~0.90%)。SK85の方が焼入れ性は若干良好ですが、そこまで大きな違いはありませんSK85はゲージ材(薄い板状)の流通が主流となっています。 - SK105(SK3)との違い
こちらも成分で異なるのは炭素量のみです。SK105の炭素量は(1.00~1.10%)と少々少し高いです。SK105は主に板材の流通が主となっています。
SK4(SK95)の用途
- ゲージや刃物など
硬度が高いSK95材はゲージや刃物などのような部品に適しております。
加工方法
- 切削加工
生材の状態での切削性は良いので、主に切削による加工がメインになります。ただし熱処理後は硬度が上がるため、切削加工は困難なため研削加工などが必要となります。
処理について
- 熱処理
用途の事を考慮すれば加工後に熱処理をすることが一般的だと言えます。熱処理後はHRC61~程度となります。ただし、焼入れで歪が発生しやすい材料でもあります。歪を考慮するのであればSKD11などの材料へ変更を検討した方がいいです。 - めっき
ハードクロムめっきや無電解ニッケルめっきなどを施すことによって、耐食性が向上します。防錆を考えるならめっき処理をおすすめします。
Raytech(レイテック)では炭素工具鋼加工部品も対応致します。
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参考資料
“JIS G 4401炭素工具鋼鋼材”.日本産業標準調査会.2022-2.https://www.jisc.go.jp/index.html