O1はAISI(アメリカ鉄鋼協会)規格の工具鋼です。
JISの同等材ではSKS3があげられます。
耐摩耗性があり、冷間工具やパンチとして使用されることがあります。
化学成分は基本的にSKS3と同じです。
規格 | C | Si | Mn | P | S | Cr | W |
O1 | 0.90~1.00 | ≦0.35 | 0.90~1.20 | ≦0.030 | ≦0.030 | 0.50~1.00 | 0.50~1.00 |
O1の特性
O1は合金工具鋼であり、クロム・タングステンが添加されています。
これにより「耐摩耗性」が向上しております。
また、熱処理をした場合「HRC58~63程度」の硬度が得られます。
OS1の用途
- プレス金型やゲージなど
- 冷間工具など
加工方法
- 切削加工
生材の状態での切削性は良いので、主に切削による加工がメインになります。ただし熱処理後は硬度が上がるため、切削加工は困難なため研削加工などが必要となります。
処理について
- 熱処理
用途の事を考慮すれば加工後に熱処理をすることが一般的だと言えます。生材のままでは特性を活かすことができません。ただし、焼入れで歪が発生しやすい材料でもあります。歪を少なくしたい場合は、SKD11などのダイス鋼に変更することも検討してください。 - めっき
ハードクロムめっきや無電解ニッケルめっきなどを施すことによって、耐食性が向上します。防錆を考えるならめっき処理をおすすめします。
参考資料
“JISG4404”.日本産業標準調査会.2021-12-06.https://www.jisc.go.jp/index.html