A6061は、アルミ(Al)とマグネシウム(Mg)とシリコン(Si)との合金です。
アルミ合金の中で特に耐食性に優れています。
時効によってかなり高い耐力値を得られますが、溶接性に劣ります。
引張強さ(N/mm2) | 耐力(N/mm2) | |
A6061-T6 | 260以上 | 240以上 |
A6063-T6 | 205以上 | 170以上 |
A5052-H112 | 175以上 | 70以上 |
A7075-T6 | 540以上 | 480以上 |
A6061の長所・メリット
- 耐食性が良い
A5052よりも耐食性に優れています。 - 耐力が比較的大きい
時効硬化によって、A5052よりもかなり高い耐力を得る事ができます。
A6061の短所・デメリット
- 表面が傷つきやすい
アルミ合金全般に言える事ですが鉄系材料と比べて表面が傷つきやすいため、製品などに採用する場合はアルマイト処理をオススメします。
A6061とA6063の違いは?
A6063は代表的な押出しアルミ合金です。A6061より強度は低いですが、押出し性に優れ、耐食性、表面処理性も良好です。建築用材や家電製品などにも用いられます。
また、A6063には板材の規格がありません。丸棒はA6061とA6063のどちらにもありますが、パイプ・アングル・角棒などはA6063しか存在しません。
A6061(A6063)とA5052(A5056)の使い分け
A6061の方がA5052よりも時効硬化によって高い耐力を得る事が出来ます。
ただ、溶接性はA5052の方が優れておりますので溶接構造の部品はA5052の方がおすすめです。
またA5052は流通性が高いので、アルミ合金であれば他には特にこだわりがないというときにもA5052(A5056)を選んでおけば大丈夫です。
A6061の用途
リベット用材、ボルト材、自動車部品
H112やT6といった質別記号、PやTDなどの形状記号について
アルミ材質にはA5052P-H112といったように質別記号や形状記号が付く事があります。
詳しくはこちらのページをご参考ください。
アルミニウム合金の質別記号H112やT6、Oとは?質別の種類と特徴を解説
表面処理 アルマイトについて
- アルマイト
アルマイトとは人工的に酸化被膜を生成する処理で、耐食性や強度をあげるために用いられます。値段も安価で、A6061には多く採用されているのでオススメの処理です。
また、黒アルマイトやカラーアルマイトによって、色を付けることも可能です。
詳細はこちら→アルマイトとは - ヘリサート
ヘリサートとは、ステンレスでできたコイル状の部品であり、アルミなど軟質材のタップ穴に挿入して使用します。A6061の場合メネジの耐久性が弱いため、相手部品が鉄やSUSの場合はネジ山が負けてしまう恐れがあります。そのため、ステンレスでできたヘリサートを使うことによって、ネジ山が潰れることを防ぐことができます。
【部品】ねじインサート、ヘリサートとは 種類や特徴、用途、ヘリコイルやエンザート、スプリューなどの呼称の違いを解説
Raytech(レイテック)ではアルミ加工部品も対応致します。
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参照
”JIS H 4000:2017 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条”.日本産業標準調査会.2022-02.https://www.jisc.go.jp/index.html
”JIS H 4040:2015 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線”.日本産業標準調査会.2022-03.https://www.jisc.go.jp/index.html